魔女の雫

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【解説】子供には見えている【イマジナリーフレンドか幽霊か】

今週のお題「怖い話」

Kid

今回はアメリカの怖い話子供には見えている」を紹介します。

朗読はこちらの動画でお楽しみください。

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私は高校生のとき、よくベビーシッターをしていました。私が住んでいた町は小さな町で、町の中心にはとても大きな家があり、ある女性がその家を買い、10年ほどそこで民宿の経営をしていました。その女性の家族もそこで暮らしていましたが、彼女の夫は病気で亡くなってしまいました。彼が亡くなってから数年後、その女性はその家を売りに出し、今度はある軍人さんがその家を買ったのです。ある日私は、その家に家族が住んでいるのに気が付き、挨拶がてら自己紹介しに行こうと思いました。3人の幼い子供がいて、3人ともとてもかわいくて、私は彼らを大好きになりました。

私は、「ベビーシッターが必要になったら喜んでお引き受けします」と伝えました。家族には、町に全く知り合いがいなかったので、奥さんは友達が欲しいと思っていたようです。その後しばらくの間連絡はありませんでしたが、私と奥さんの歳が近かったこともあったからでしょう、私達は会うようになりました。彼女の名前はアマンダ、私達は仲良くなり、子供達とも仲良くなりました。

ある日、彼女の家のリビングでおしゃべりをしていたときのことです。なにやら不気味な感じがすると思っていたら、アマンダが「この家は気味が悪いの、きっと幽霊がいるのだと思う」と言ってきたのです。そしてその時、5歳だった一番上の子のジェットがリビングに入って来て、「ママ...、アシュリー...、あの悲鳴が聞こえる?あの男の人を助けて」と頼んできました。アマンダが怯えて、「ジェット、誰のことを話しているの?」と聞くと、「階段の下にいる男の人、火が付いているよ、お水をかけて助けてあげてよ」と言うのです。私達はどうしたらいいのかわかりませんでしたが、恐る恐る階段の下へ行ってみました。しかし、どこを見ても男性の姿はなかったので、その話しはあまり気にしないでおこうということになりました。

その次の日です。私達が庭でくつろいでいると、ジェットがまたやって来て、「ママ、家に入って仲良しの兄弟と遊ぶね」と言いました。ジェットの二人の弟のことだと思ったアマンダは、「いいわよ」と答えました。ところが、庭を見ると弟達は砂場で遊んでいたのです。そこで私は家の中へ様子を見に行きました。するとジェットは1人おもちゃ部屋で、大声で話しながら笑っていたのです!「誰と話しているの?」と聞くと、「仲良しの兄弟だよ、アシュリー」と答えました。私は走ってアマンダのところに戻り、様子を見に来るように言いました。私達は怖くなり、家中を調べはじめました。物置の中を見ると、この家に関する沢山の書類がありました。それによると、どうやら玄関ホールで火事があり、男の人が炎に包まれて亡くなったようです。私達は階段へ行き、床のカーペットをどけてみました。するとカーペットの下には真っ黒に焼け焦げた跡が。私はおそろしくて体が震えました。こんなにも怖くて体が震えたのは生まれて初めてでした!
その怖さから、仲良しの兄弟というのは、ジェットの想像にすぎないと思うようしました。

私達はその後、この出来事について触れることはありませんでしたが…ある日、家の最上階にあるロフトへ行ったときのことです。家は三階建てで、屋根裏部屋の奥には小さなロフトがあり、その窓から町が一望できるのです。私達はロフトを見て回りました。そして壁にたくさんの名前や言葉が書かれているのを見つけました。なかには1890年代に書かれたものもありました。私達も名前を書きました。そして私がふと頭の上を見上げたとき、「ジェット、仲良しの兄弟、永遠に」という文字が目に入りました。ジェットが書いたはずはありません。彼の身長はせいぜい100センチほどで届くはずがないのです!それを見た私達は怖くなって階段を駆け下りました。

また、この家には使っていない寝室が2つあり、その部屋の前の廊下は、普段使われることはありませんでした。寝室の隣に洗濯室があり、アマンダに頼まれて毛布を洗濯するときだけ、廊下を通るのですが、寝室は暗くて本当に気味が悪いところです。中に入ったこともありますが、不気味でした。洗濯室へ行かなければならないときはいつも走ってその部屋を通り過ぎていましたが、以前この家を所有していた女性のご主人が、煙草が原因で肺がんを患い、その寝室で亡くなったことがわかったのです。

そのことを知ってから5日後、ジェットが「チャーリーおじさんが2階で咳をしているのが聞こえるんだ」と言いました。アマンダと私が「チャーリーおじさんって誰?」と聞くと、「洗濯室の隣の部屋で寝ている人だよ」とジェットは答えたのです。私達は本当に驚いて怖くなりました。以前この家を所有していた女性のご主人がチャーリーという名前だったからです。ジェットがそのことを知っているわけがありません。

言うまでもありませんが、アマンダ家族はもうその家には住んでいません。

今その家に住んでいるのは、私が通っていた高校の校長先生です。彼女には幼い子供はおらず、気味の悪いものを見たことはないそうです。
みなさんはこの話をどう思われますか?

 古今東西子供は霊界に近い存在とされていることが多いので

どの国でも「子度が霊と話している」というモチーフはたくさん見られます。

問題なのはそれが子供の空想上の友達であるイマジナリーフレンド

本当に存在しているものなのか、ということ。

子供が頭の中で友達を作るのはよくあること。

(私は犬を飼いた過ぎて、空想の犬を毎日お供させていました)

誰かと話したり、遊んでいるわ…だけなら何ともない話なのですが、

このお話では

  • 子供が燃えている人を見る→実際にその場所に燃えたがある
  • 子供が以前の家の持ち主や、亡くなった人の名前を呼んでいる
  • 子供の身長では届かないところにサインを入れている

というポイントを出すことで

イマジナリーフレンドではなく本当にいるのではないか

という恐怖を演出しています。

特にサインはすごく怖いですね。

ペンを持てる、ということは、その霊は実体を持っているわけです。

影のような存在ではないので、次は何をしてくるのかわかりませんね。

 

このお話はこちらの動画で紹介しています。

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