魔女の雫

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幽霊に我が子だと思われた話(アメリカ・アリゾナ)

Dog

これからお話しすることを聞いていただく前に、お話ししておかないといけないことがあります。私は5人兄弟の真ん中の子で、その家で暮らしていた時は、9歳か10歳でした。そして私の両親は結婚しておらず、父は母の家を早く出たがっていました。姉のダンス教室の友達が引っ越す予定で、その子が住んでいた家は、まさに私の父が引っ越したがっていた場所だったのです。

 

それで彼らは私たちに家を見てみるように誘ってくれました。すぐに私の父がその家の購入を決めたのですが、その家は5人の子供、1人の大人、2匹の犬には十分な大きさではありませんでした。しかし、父は家の間取り図を見て、父親の部屋に2つのロフトと、リビングルームの上の階に2つのロフトが増設できる、と思ったようで、この家に引っ越すことに決めました。

 

引越し当日、ベッドがまだ入っていなかったので、みんなマットレスで寝ていました。どういうわけか、私は自分の部屋で寝たくありませんでした。なので、妹とミニチュアダックスフントのローラと一緒に寝ることにしました。

 

そのとき、ローラが聞いたこともないくらいに、吠えまくったのです。言い聞かせても、吠えるのをやめてくれませんでした!私の父が朝の食事を取りに出た時も、私の兄がホッケーの練習にときも、ローラはドアに向かって吠えていました。私の弟、ダニエル、私、エリザベス、ローレン、そしてローラだけのときも、何もないところに向かってローラが吠えていました。そして、アリゾナの春だというのに部屋は凍えるような寒さだったのです。ローラはマットレスからマットレスに何度もジャンプし始めました。父が家に戻ると、私は父の書斎に入りました。

 

当時の私たちは家具をほとんど持っていませんでしたが、父の書斎の片づけだけが終わっていたので、父がコンピューターを使うときは、私はその書斎で、椅子に骨折した足をおいていました。私は何度か足を骨折していたのですが、その家で骨折したのは3回です。後でそれについてお話しします。

 

私は毛布だけを持っていて、枕は持っていっていませんでした。その日も、足を椅子においていると、足がくすぐられるような感覚を感じ始め、私はくすくす笑っていたのですが、その瞬間鋭い痛みを感じたのでした。私は父を呼びましたが、コンピューターを使うのをやめてくれませんでした。同じことが数回起こりました。

 

約一ヶ月後の父の日、私たちは父の部屋で父の日のプレゼントを開けるのを見て、楽しんでいました。私の兄マイケルだけはそこにいませんでした。しかしすぐに、マイケルが入ってきて父に叫んだのでした。 「この家は幽霊がいるよ!夫人は知っていたんだろ!何で教えてくれなかったの?なんで僕は何も目にしないの?」私の父は、夫人から聞いたことを話し始めました。

 

彼女がある日洗濯物をたたんでいて、振りかえると幽霊らしきものが見えたそうです。彼女は幽霊に向かって叫び、服を投げ始めました。また別の日には、お手伝いさんが家を叫びながら走りまわり、その後やめていったそうです。私は部屋に行って着替える事にしました。私は幽霊を信じていなかったのです。

 

しかし廊下を歩いていると、正面玄関に暗い人影が見えたので、私は悲鳴を上げ、父のところへ駆け寄りました。「ここにいる!私見たの!うそじゃない!」。父はオーブのようなものが目にしたことがあるだけで、ほかの誰もみていないので、変だと思ったようでした。その後キッチンに行き、みんなで朝食を作りました。動揺はしていましたが、私も手伝いました。

 

その2ヶ月後に学校が始まりました。私は鏡の前の戸口に立って、髪が整っているか確認していました。私が鏡をじっと見ると、幽霊がそこにいたのです!今回は影ではなく、完全な人間の姿でした!立っていて少し光っています。

 

髪の長さは肩くらい、ハーフトップの上に白いシャツを羽織って真ん中で結び、膝丈のスカートをはいて、私の肩に手を置いてきました。若くて美しい女性でした。振り向くと黒い影が見え、鏡に目を戻ってみると影だけが見えました。消えることはなく、見えなくなっただけのようです。私は金切り声を上げ、ロフトの父の書斎に駆け込んで父に 「幽霊が、幽霊が、幽霊が私の肩に手を置いた、黒い影、影」、私が声に出せたのはそれだけでした。

 

別のある夜、私は自分の部屋で眠っていました。その部屋は、私と同じ名前の幽霊が私を入れてくれないところでした。さわやかな風を感じたのですが、突然天井のファンが倒れました。その部屋には二段ベッドがあったので、天井のファンはクローゼットがある角に取り付けられていました。私は体が持ち上げられて投げつけられるのを感じ、目を覚まし、倒れたファンを直して窓を閉じようとしましたが、全く身動きが取れませんでした!何かに体を押さえられているようでした。

 

しばらくして体が動くようになりましたが、見るとファンは倒れておらず、窓も閉まっていてロックされていました。私が再び眠りにつくと、今度は女性の声で子守唄が聞こたのです。私は耳をふさいで、「出ていって!私のお母さんはここに住んでないの!」と叫びました。

 

1か月が経った頃、父が小さなハムスターを買ってきました。ケージには、中に金属の車輪がついていました。そのハムスターは少し変わっていて日中は目を覚まし、夜眠るのでした。しかし私は、車輪が常に夜に回転していることに気づいたのです。ある夜、みてみると、ハムスターは眠っていましたが、その横で車輪が勝手に回転していたのです。

 

私たちはその家に1年半暮らしましたが、半分の期間は、家を売ろうとしていました。みんなうれしそうに家に入って見るのですが、落胆した感じで家を出るのでした。もちろん、気づいたのは私だけです。

 

家の中では私と姉妹に1匹ずつ、3匹のハムスターを飼っていました。しかし、どういうわけか、私の飼っていたロクシーが、私の妹ローレンのハムスターのムーを殺してしまったのです。変なことでした。普通、そういうことはオスがいるときにのみ起こります。しかし、3匹みんなメスだったのです。

 

また私たちがロクシーとクッキーの2匹を置いて私の母の家へ2日間行き、帰ったときには、クッキーが死んでいたのです!私の妹はとても悲しんでいました。クッキーは飢えで亡くなったようでしたが、父はきちんと餌をやっていたのです。そして、5つあった餌の皿は、どれもからっぽでした!飢えでなくなったなんてありえません。

 

私は自分の部屋に入り、「ロクシー!パパ!パパ!ロクシーが!」と可能な限りの大声で叫びました。父は私の部屋に走って来てくれました。私の父は窒息していないかクッキーの口を見ましたが、違いました。ロクシーは肋骨のあたりを切られていたのです。私たちは獣医に連れて行きましたが、手の施しようがありませんでした。私は部屋に入り、ロクシーを机の上に置き、「あんたがやったんでしょ!」と霊に向かって叫びました。その 3か月後、私たちは引っ越しました。

 

私と父は、あの家で何が起こったのか調べはじめした。すると私たちの前までの所有者は、全て親戚関係だったようです。

 

その後、父は超能力者を雇いました。彼女は私がよく座っていた椅子で、母親の幽霊を目にし、私の部屋は彼女の娘の部屋として使われており、娘はそこで亡くなったと教えてくれました。彼女はモルモン教徒ででねずみを嫌っていたそうです。私は他にも多くの奇妙な現象をを経験しましたが、ここで全てお話しするには数が多すぎます。そんなに経験したのは私だけでしたが、小さなことは父にも起こっていたようです。

 

霊能者は、その母親の幽霊が私にまだついてあるいている、彼女が私を自分の娘だと思っており、一緒にいたがっていると言いました。お祓いをしてもらい、その後、私たちは建てられたばかりの家に引っ越しました。この家は私たちが始めて住む住人だったので、少し安心していたのです。しかし、私はある夜目が覚め、水を飲んでいるときに、見たのです!あの幽霊を!古い家から移ってきたのではないかとおもい、父に話すと、父は私が死者を見ることができるとようやく信じたようでした。

 

最後に、私の母とのことを少しお話ししたいと思います。母はまったく宗教には関心がありませんでしたが、地元の教会の神父に家を清めてもらったときのことです。お清めの後、5,6歳だった私が部屋に走って入ってきて「ベアーをどこにもやらないで!」 (ベアーは飼っていた老犬です)と叫んだそうです。