今週のお題「怖い話」
今回は「ドリーとドールの奇妙な思い出」という怖い話。
こちらの動画で紹介しています。
私は今17歳ですが、10歳の頃、両親と兄と一緒に祖母の家で暮らしていました。祖母は私にお話ができる人形(ドリー)と磁器製の人形(ドール)を買ってくれました。私がドリーと遊んでいるうちに、彼女はしゃべったり歩いたりするようになりました。私はいつも両方と遊びましたが、私のお気に入りはドールでした。
ある日、ドリーがしゃべらなくなったので、「ドリーが死んだ」と泣きながら兄のところに走って行くと、兄は「電池が切れているから、明日新しいものを買ってくるよ」と言ってくれました。後日、私はドリーとドールと一緒にお茶会をしていたところ、ドリーが転んで訳わからないことを言い始めたのです。私は怖くなって、ドリーを掴んで泣きながら兄のところへ走って行きました。彼はドリーを抱き上げると彼女の頭を叩いて、「もう良くなったよ」と言いました。
その後、私はドールと遊び始めたので、ドリーを隅に置いておくと、「彼が私を傷つけたのよ」と言う少女の声が聞こえたのです。私はドールを掴んで怯えながら「誰がしゃべったの?』の言うと、その少女の声は「私、ドリーよ」と返事しました。私は悲鳴をあげ、部屋の隅でうずくまりました。すると、兄がやって来てどうしたのかと聞くので、私は「ドリーがしゃべったの!」と答えました。兄は私にあきれ、気晴らしした方がいいからと言って、カメを捕まえに連れて行ってくれました。家に帰ると、持ち帰った亀を他の亀と一緒に置いておきました。すると、ドリーが「怖がらせるつもりはないんだけど、あなたに亀を殺して欲しいの」と言ったのです。私は「いや、あっち行って!」と叫びました。ドリーは「カメを殺さないとドールを叩きのめしてやるんだから」と脅してきました。
私は本当に怖くなって、ドリーを取り上げてトランクの底に入れ、その上には私のおもちゃや本を全部重ねて乗せておきました。それからお兄ちゃんと一緒にご飯を食べに行きました。そのあと自分の部屋に戻ってくると、ドリーが私のベッドの布団の下にいて、ドールは床に叩き割られており、バービー人形の頭は全部剥ぎ取られいました。その光景を目の前に私は泣き出します。両親に何があったのか話しても信じてもらえませんでしたが、父は私が本当にドリーを怖がっているようだから、すぐにゴミ捨て場に捨てに行くと言ってくれました。
その当時から現在まで、私達は何度か引っ越しを経験しました。時折、父がドリーの話をするので、12、13歳頃の私は怖くてたまりませんでした。最後に引っ越したのは去年のことですが、私はいくつか古い箱を調べている最中に、ドリーを発見したのです。私は彼女を2階に持って上がり、なぜ彼女がそこにいるのかを父に問いただしました。父は、私がそのうちまたドーリーを取り戻したくなるかもしれないと、保管していたそうです。私は彼女を客間に連れて行き本の隣に座らせておきました。私は全てただの気のせいだったと思うようにしました。
ある時、私の部屋がまだ完成していなかったので、私と当時6歳の姪は客間で寝ていました。翌朝起きて服を着てから、姪が服を選ぶのを手伝いました。姪が言うには、昨夜、ドリーが私たち家族に死んで欲しいと言って彼女を怖がらせたそうなのです。家族の誰もドリーの事を話していませんし、ましてや姪にドリーの名前を教えてもいないのに、と思うとパニックになりました。そこで 私は客間に駆け込み、ドリーを掴むと彼女を外の焼却炉に投げ捨てたのです。 そしてライター用オイルをかけ、ドリーに火をつけました。
その時、私と姪は絶対に間違いなく、火の中からドリーの怒鳴り声を聞いたのです。
まさにチャッキーも真っ青な人形が出てくるホラーですね。
またビスクドールの「ドール」とおしゃべり人形「ドリー」と
二体の人形が出てくるのもとてもいいです。
ドールを大事にするあまり、ドリーが嫉妬をして…
というホラーの鉄板が成立しています。
残念ながら、ドリーという人形が実際にあるかわからず…。
DOLLIE & MEという人形は現在も販売されているようです。
ちなみにこんな感じ。
人形ドリーには人形用の服と子供服が販売されており、
ドリーとペアルックでファッションを楽しめる、
というコンセプトのようですが…
やはり不気味な感じはぬぐえませんね。
日本にも似たような人形がありますが、
なぜ子供のころは怖くなかったのに、大人になると不気味に感じるのでしょう。
人間っぽさを感じるからでしょうか?
それとも人間ではない、と意識できるからでしょうか。
人形の怖い話はそれこそいろいろありますね。
山岸涼子の「私の人形は良い人形」なんかは傑作です。
海外なら先ほど挙げたチャッキーのほかに、アナベルや
ロバートも有名です。
ロバートも嫉妬心から家族を襲いますが、
人形の嫉妬深さの由来はどこからなのでしょう。
もしかしたら私たちは人形の中に
「残虐な幼稚性」と「冷徹無比な男性性」を見ているのかもしれません。
このお話はこちらの動画で紹介しています。