魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

おじさんの幽霊(アメリカ・ニューヨーク)

Ghost...

これから、私の経験をいくつか話そうと思います。少し長くなりますが、どうか最後まで読んで下さい。

 

私が父の家に住んでいた頃、自分の部屋で寝る事が出来ず、いつも父と一緒に寝ていました。なぜなら、父の家が幽霊屋敷だったからです。私は10歳位の頃から、幽霊が見える様になりました。

 

初めて見たのは、私がお風呂の準備をしていた時でした。斧が頭に刺さったままの男性が、私の部屋から隣の部屋へと入っていくのを見たのです。勿論私は恐怖で震えあがりました。その幽霊は恐らく昔、この家の所有者だったのではないかと思います。以前の所有者は戦時中に亡くなったそうですが、噂では、亡くなる前に家の何処かに本物のシルバーを隠したと言われています。今現在も、そのシルバーは見つかっていません。その幽霊を見てから、自分の部屋で寝る様に強制された夜は、ベッドの中で震えて泣き疲れるまで寝る事が出来ませんでした。

 

週末母を訪ねに行った時のことです。私は、母、そして母の彼氏の娘と一緒に寝ていた夜、ぬいぐるみが無いことに気が付き目が覚めました。私は当時8歳でした。ぬいぐるみはすぐに見つかったのですが、起きた時に女の子がいる事に気が付きました。彼女の周りには明るい光が漂っていました。

 

その女の子は私達が寝ているベッドまで歩いて来ると、母の腕を持ち上げ、手首を捻り始めたのです。私は「やめて!やめて!」と叫びましたが、彼女は首を横に振るばかりで一言も発しません。私は「起きて!女の子がお母さんの腕を捻ってるよ!」と叫びながら母を起こしました。母は「ヘザー、いい加減にしなさい!怖がらせないで!」と怒りました。気づくと女の子は部屋から出ようとしていたので、私は彼女の後を追いましたが、部屋の入口まで行くと彼女の姿は突然消えてなくなりました。翌朝、母は手首を捻挫していた為、病院に行かなければなりませんでした。

 

2年前に亡くなった私の叔父は、会社を所有していました。その会社は、現在私の母と継父が所有しています。一人の霊能者がそこを訪れた時のことです。彼女は従業員に「あなたの家族で誰か亡くなった人はいませんか?」と尋ねました。近くにいた私の母は「私の父が亡くなりました。」と答えましたが、彼女は「もっと若い人です。」と言いました。そこで従業員が「私の上司が亡くなりました」と言い、その上司の容姿を説明したところ、霊能者が見ている人物像と一致しました。

 

彼女によると、その上司は霊能者のすぐ隣に立っていて、その従業員が普段仕事を怠けている事をいつも不満に思っていた、と話したそうです。従業員は気味が悪くなり席を外そうとしましたが、霊能者は従業員が向かう先に上司が移動した事を伝えました。霊能者が私の母と話をしに行った時、母は「私の兄はまだここにいますか?」と尋ねました。「ここにはいませんが、呼びましょうか?」と聞く霊能者に、怖がりの母は直ぐに「いいえ。結構です」と答えました。

 

しばらくすると母は寒気を覚え、霊能者の方を見ました。霊能者は「彼は丁度今ここにいます。家族に申し訳ないと言っています。彼は自分の死にショックを受けましたが、周りにはサポートをしてくれる人がいると言っています。」と言いました。母が寒気を覚えたその時、私たちが彼に贈った曲が流れた時には本当にゾッとしました。

 

それから2日が経ち、再度霊能者と連絡を取ると、亡くなった叔父が私達に怒っていると言うので、翌日、夜仕事が終わると、私たちは叔父の霊を呼び出す為、ウイジャボードを持ち出して使ってみました。すると叔父が実際に私達に話掛けてきました。私たちが今何処に立っているのかと聞くと、ボードには私の名前が綴られました。

 

叔父と私はとても仲が良かった為、彼が私の傍に立っていると聞いて涙が出ました。私の母が「ヘザーはあなたの事を本当に愛していて、貴方の事を恋しく思っているのよ。」と言うと、彼は「分かってる」と言いました。それから母は「もしかしてヘザーの守護霊になったの?」と尋ねた所、「そうだよ」と返事をし、私の事をとても勇気づけてくれました。

 

私達は、叔父が私に触れる事が出来るか尋ねると「出来る」という答えが返ってきたので、私は待ちましたが、特に何も感じませんでした。すると叔父は、私が叔父から貰った大きなフード付きのトレーナーを着ているからではないか、というので、トレーナーを脱いで再度トライする事にしました。

 

叔父は私達に少しの間休憩する様にと促しました。一緒にいた女の子がトイレに行きたがりましたが、一人で行くのを怖がっていた為、私は彼女と一緒に行く事にしました。トイレへ向かう途中にある部屋の前で、ガソリンの様な匂いに気が付きました。しかし、その辺りにはガソリンなど置いていないので、気のせいだと思いそのままトイレに行きました。女の子が出てくるのを待っている間、誰かが私の頭をポンポンと叩くのを感じたので、見回してみましたが、周りには誰もいませんでした。直ぐに叔父だと気が付きました。

 

トイレを出て戻る途中、また同じ部屋の前でガソリンの匂いがしました。母と継父を呼んで匂いがするかどうか聞くと、継父は何も匂いはしないと言いましたが、母はガソリンの匂いがすると言います。叔父は、交通事故にあった際に車が炎上して亡くなりました。ガソリンタンクが爆発した為だといわれています。なので、ガソリンの匂いは恐らく叔父が近くにいる印ではないかと考えました。

 

私たちはウイジャボードのある場所へ戻って、再び叔父と話し始めました。私たちは叔父に姿を見せてくれる様に頼みました。すると叔父は、私達が丘の近くにある墓地に行ったら、姿を見せられると言いました。丘はすぐ傍にありましたが、私たちは行きませんでした。

 

その夜、私は夢を見ました。場所は叔父のお葬式で、何故かパーティーの様でした。夢の中で叔父が私の継父と話しています。私は叔父に「こっちに来て」と言いましたが、逆に私が叔父の方へ来るようにと言われました。私が叔父に近づくと、彼は私を抱きしめました。そして叔父は「大丈夫だよ。私の事は気にしないで、忘れていいんだよ」と言いました。私は「できない」と答えました。

 

泣き始めると同時に目が覚めました。現実の世界にいても、叔父に抱きしめられている感触と香りがしました。今でも、私の叔父は現実にそこにいたんだと信じています。