魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

弟たちのゴーストハンティング(アメリカ・ジョージア)

boys

12歳くらいの頃の私には、あらゆるものがバカバカしく思えていました。その時9歳だった私の弟は、幽霊を信じていたようで、私たちは大きな家に住んでいたのですが、家の中で何人かが自殺したから幽霊が出ると信じて疑いませんでした。この弟イゼックには、ゴーストハンティング仲間がいて、幽霊を見たと言っては、私、私の妹や両親を起こしていたのです。

 

6歳か7歳だった妹のレスも幽霊を信じていて、土曜日や雨の日には、遅くまで起きて幽霊を探していたものです。最年長の私は、変な子たちだと思い、一緒に行動することはありませんでした。幽霊が実在すると気付く前は。

 

それは嵐の土曜日、午後は3時頃のことでした。父は友達と一緒で、ママはベビーシャワーのパーティに行っていました。私は弟と妹の世話係で、その時は映画を見ていました。もちろん、イゼックとレスは台所でゴーストハンティング計画を立てていたのです。私はソファから起き上がり、彼らが使っていた黒板を見ました。 「やあベッキー!」レスは幸せそうな声で私に言ってきましたが、私は目をそらし、みんなで食べるサンドイッチを作る準備をしていました。

 

「ゴーストハンティングを手伝ってみない?」とイゼックが聞いてきて、レスも「いいね!」叫んだので、私は振り向いて首を振りました。「あぁ、ベッキーお願いだから!」とレスが叫びましたが、私が 「サンドイッチはハムかジャム?」と言いますが、イゼックは 「ベッキー!」とうめくのでした。私は彼らにサンドイッチを渡し、居間に座りました。弟たちは絶対ゴーストハンティング計画に私を入れたいようだったので、私はしょうがなく、いいわと答えました。

 

午後4時30分頃、母が帰宅しました。イゼックとレスはまだゴーストハンティング計画を立てていたので、私は無関心なフリをしていました。母はみんな一緒に遊んでくれててよかったわと言いましたが、レスはこれは遊びじゃないの!と返します。母は私と一緒に呆れた表情をみせていました。

 

午後8時30分、嵐はさらに激しくなり、家が揺れるほどになりました。「レスリー、時間だよ」とイサックは言い、私の腕を叩いてレスをつかみ行ってしまったので、私は二階に行く二人を追いかけました。入った部屋は、私が存在すら知らない部屋でした。ライトはなく、窓もありません。クローゼットもなく、あるのは 1つの小さなロッキングチェアだけでした。

 

私がそのロッキングチェアに座ると、レスは「やめて!」と私をどかせました。 「それはキャシディの椅子だよ!」と叫んだので、私はレスの近くに行き、落ち着くように彼女に言いました。 「キャシディって誰よ」 「友達だよ」イゼックとレスが答えました。そして二人は「キャシディはずっとお姉ちゃんに言ってた幽霊だよ!」と叫んだのです。

 

レスはロッキングチェアを指さしました。見るとそれは揺れていたのです!ひとりでに!本当だったのです。弟たちは本当に幽霊を見ていた、そして私たちの家には幽霊がいた! イゼックが「キャシディ、僕たちだよ。大丈夫だよ」とささやくと同時に、大きな雷が鳴りました。その時、ロッキングチェアに白い姿が見えたのです。15歳から17歳の青白い肌の女の子でした。白いドレスを着ていて、枯れた花でいっぱいのバスケットを持っていました。

 

それ以来、私はイサックやレスと2階のその部屋には行っていませんが、ロッキングチェアのきしむ音は耳にします。そして、私が貯金箱にしている花瓶の中には、枯れた花が置かれていました。