魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

【解説】ストーカーゴースト【生きてる人間は怖い】

Shadows

今週のお題「怖い話」

せっかく抜群なお題をいただいたので、

活用させていただきます。

今回のお話は「ストーカーゴースト」

お話はこちらから聞くことができます。

youtu.be

ストーカーゴースト


身も凍るようなこの事件は、私がグルガオンの地方機関で会計士として採用された2014年に起こりました。

デリーという都市は女性にとって決して安全な場所ではありませんでしたが、私の職場は女性も多いところだったので、少しは安全だろうと思っていました。

ある日、私はシフトの時間より少し遅くに仕事を終えました。午後10時頃だったと思います。

私はたいてい家までは歩いて帰っていました、家の前には一方通行の道路と交差点があり、昼はそこそこ人が通るのですが、大体午後10時前には誰も通らなくなってしまいます。この日も家に帰るため交差点を歩いていると、誰もいないはずの交差点から突然私の後ろから足音が聞こえました。目をやると、フードをかぶった人が道の反対側から私を見つめていたのに気づきましたが、面倒に巻き込まれるのは嫌なので、気づかないふりをしました。


人が少ない場所、といってもデリーはそこそこ大きな都市でもあるので、家に向う私と同じ方向に足音がついてきても、特に驚くことはありません。が、私はなるべく早く歩いて家に向かい、慌ててドアを閉めました。このことを知らせるべきか少し悩んだのですが、私の考えすぎだと思い、両親にこのことを知らせませんでした。しかしこのストーカー行為は、結局1週間ほど続いたのです。そのため私は自分のシフトの時間を早く終わらせるようにしたり、帰るときにはいつもと違う別のルートで家に帰るようにしたのですが、彼はどういうわけか私が時間をずらしても、帰る道を変えても必ずついてくるのでした。1週間ほどで付きまとわれるのが終わりホッとしたところ、私のメールボックスに「あなたの夫」という名前のアドレスからメールが届きました。そのメールは毎日20通ほど届き、中には彼が私をどれほど愛しているかについて、支離滅裂に書いています。さらに誰かに知らせたら私を誘拐する、といったことや私の両親を殺す、などの脅しも含まれていました。

私はとても恐ろしくなったので、メールを母に見せることにしました。メールは父の目にも入り、激怒した父は、このメールの発信者を1か月間調査すると、メールが私の同僚から送られているということがわかりました。父は同僚をストーカーとして警察に通報しましたが、同僚は警察に連行される前に、私たちのオフィスの建物から飛び降りて自殺してしました。

事件から数年が経ち、私はデリー郊外にあるアパートに引っ越しました。ある夜、友達とクラブで楽しんだ後、友達の車に乗って帰宅しようとすると、家の近くの交差点に、フードをかぶった男のシルエットが私を見つめているのです。私は昔の事件についてはほとんど忘れていたのですが、またあの男がいるはずもないので、これは私の見間違いに違いない、と自分に言い聞かせました。幸い友人は私の家で一晩止まる予定でもあったので、気にせず家に帰り、クラブの余韻を楽しみながら友達と楽しく過ごしていました。


すると居間にいた友達の叫び声が聞こえました。

私たちが急いで居間へ向かうと、彼女は息を切らして完全に青ざめていました。そして窓の外で血まみれの男が私を見つめていたと言うのです。しかし私は3階に住んでいたので、そンなことができるはずもありません。

もしかしたら誰かが落ちたのかもしれない、ということで確認するために窓を開けましたが、そんな気配はどこにもありません。私の別の友人は彼女に「あなた酔っているのよ」と、寝室に彼女を連れて行来ました。寝室に向かう彼女の話を聞いて、私は驚きました。彼女が見た、という男の姿は私を昔ストーカーしていた男だったのです。私はすっかり恐ろしくなってしまい、彼女を寝室に連れて行ったあと、もう一人の友人とリビングのソファで寝ることにしました。その夜は異常に風が強く、彼女の奇妙な体験を聞いた後だったので、私はとても眠れそうにありませんでした。

寝付けずまんじりと過ごしていると、午前2時頃、キッチンでガラスや台所用品の割れる音がしました。私たちは皆目を覚まし、私と一緒にソファで寝ていた友人は、台所を見に行こう、と私に言うのですが、行きたくはありません。何度も説得され、仕方なく彼女の後ろからそっとキッチンを覗き込みました。

そこではとても恐ろしい光景が広がっていました。キッチンの窓の外には頭がぱっくりと裂け、体中の傷から血を流している、あのストーカー男がいたのです。彼は血まみれになった顔をじっと私のほうに向けていました。私は叫び、その場で凍り付いてしまいましたが、私の声を聴いた他の友人が、ベッドルームから急いで駆けつけてきました。私は一言も言えずに、ただただ震えていたのです。私たちは怯え、お互いしっかりと体を抱きしめあっていました。

次の日の朝、友人が確認のためキッチンに行ってくれましたが、キッチンに異変はなく、いつもと同じ様子でした。私は母に電話して迎えに来てもらい、昨日起こったことをすべて説明すると、アパートを出て、実家に帰り、二度とアパートには戻りませんでした。

今、私は結婚して幸せな日々を過ごしているのですが、今でも夜を一人で過ごすことを恐れています。

生きてる人間は怖いですね…。

 幽霊になってもストーカーされる、という話なのですが

ストーカーが生きているときの恐怖体験

ストーカーが死んだ後の恐怖体験が両方書かれており、

とてもバランスの良い話でもあります。

実はこちらインドからの投稿ストーリーです。

舞台となっているデリーはインドの北部にある首都で、

経済的に発展していることでも知られています。

怖い話を語るうえで欠かせないのが、

その国や地域の宗教観ですが、

この話に出てくる主人公はとても現代的で、西洋的。

インドで多数を占めるヒンドゥー教イスラム教の影響は感じません。

デリーという発展した都市に暮らす、

キャリアウーマンならではの怖い話なのです。

 

こちらのお話はこの動画で紹介しています。

youtu.be

是非合わせてお楽しみください。