魔女の雫

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家にいる見知らぬ誰か(プエルトリコ)

Girl

私と娘たち、そして私の新しい再婚相手は、新しく住む場所を探していました。たくさんの家を見てまわったのですが、私はある家に惹かれたのです。その理由はこの話を聞けば分かっていただけると思います。

 

それはとても古い家でした。家を探し始めて2週間ほど経ち、また同じ場所を通りがかったところ、まだその家には空き家の看板が残っていました。私は衝動的にオーナーに電話し、2週間でそこへ引っ越したのです。その家は手入れがされておらず、壁にはシロアリがいて、床板はボロボロでした。それでも私はこの家を気に入っていました。

 

しかし、夫はそうではなかったようで、いつも居心地が悪そうでした。問題が起こり始めるまで、私は平穏に過ごしていましたが、夫は、家に入るなりいつも不機嫌になったのです。常に怒っていて、何かにつけて文句を言ってくるのです。私は我慢できず、彼に出て行って、と言ってしまうようになりました。お互いの意見の食い違いを話しあう時にも、家の外で話すようになりました。家の外では、不思議と彼の機嫌が直るからです。でも、家の中に戻ると彼はまた不機嫌になるのでした。

 

私は敏感で、いろいろと感じやすい体質です。しかしある理由から、私は霊とのコミュニケーションをとろうとはしませんでした。霊とは何であるかについては、一人一人が独自の判断を持っていると思うのですが、私のとって霊とは、人間を弄ぶ存在という認識だったからです。しかしこの時は、違うと感じていました。ただそこにいるだけだったのです。なぜ家やアパートの周りに留まっているだけなのかの説明できませんが。

 

とにかく、これからお話するのは、実際にこの家であった出来事です。

 

引っ越した後の最初の週は何も起きませんでした。ところがその後、それは起こったのです。映画『ザ・グラッジ』でカップルが壁からのノックを聞くシーンを覚えていますか? まさにそれです!同じことが私たちにも起こったのです。そのノックは、私の夫のベッド側の壁を軽く叩く程度のものでした。私はおそらくネズミだろうと言っていたのですが、それは私たちがベッドで休んでいる時に限って起こりました。

 

ノックがどこから聞こえるのか、調べてみようとしましたが、壁に近づき触ろうとすると音は止まるのです。私はうんざりして、「あっちへ行って」と言いました。すると、ノックの音は私の側へと移ったのです!私は次に「戻れ」と言いました。するとその通りになったのです!私は縮み上がりました。どのような霊が憑りついているのか定かではありませんが、気を付けなければと思いました。

 

さらに透明な小さな女の子の霊が見えるようになっていました。しかし怖くはありませんでした。なぜなら、それは悪霊ではないと感じていたからです。私は彼女を時々見かけることはありましたが、気にせず普段の生活を続けていました。彼女はそれほど頻繁には現れず、静かな子でした。

 

私には糖尿病の娘がいるのですが、ある夜、寝ているとこの霊が私の腕を動かしました。目を覚まし彼女を見ると、娘の部屋を指さしているのです。行ってみると娘の具合がよくありませんでした。こういったことは3回起こり、その都度、娘は救急病院に連れて行かなければならないくらい、具合が悪い状態でした。この霊は私に娘の危機を教えてくれていたのです。

 

一度、みんなが寝ている時、私が目を開けると、ベッドの夫側の隣に彼女が見えました。彼女はただじっと彼を見つめていました。どうしてかはわかりません。彼女は霊はとても明るく見えました。私は彼女の姿を見ることができるようにと、夫を起こしました。しかし彼には彼女の姿は見えなかったのです。特別な霊感を持っているのは私だけのようでした。そして、私は彼女には何も言わずに再び眠りにつきました。

 

またある夜、帰宅し、私は居間の照明をつけました。下の娘が書斎の前を通り過ぎると、照明が勝手についたのです。娘が怖がったので、多分何かの間違いでついたんだと言って聞かせました。しかしそれは触らないとつかないタッチランプでした。

 

一度、下の娘があの小さな女の子の霊を見たようです。もちろん、娘はそれまで一度も霊をみたことがありません。でもあるとき、書斎のあたりを通りがかったときに、あの女の子の霊を目にしたそう。もう一度見直すと、霊は消えていたそうです。

 

ついに私の夫もその霊を見ました。私は少し休むために夫と寝室に行きました。そこにはウォークインクローゼットがあるのですが、ドアはなくカーテンのみです。彼はそのカーテンが開き、そこから誰かが出てくるのを見たそうです。私も同じものを見ましたが、あえて何も言いませんでした。なぜなら、夫に女の子の霊が見えるとは思わなかったからです。

 

しかし、驚いたことに彼も霊を見たのです。彼は、霊ではなく娘だと思ったようですが、そんなはずはありません。私の14歳の娘は一番下の妹と居間で遊んでいたからです。彼は私に「タリアはどうやって部屋に入ったんだ?彼女は居間にいたし、ドアは閉めたのに」と言いました。私が、彼が見たのは小さな女の子の幽霊だと言うと、彼はひどく怖がっていました。

 

この古い家では様々な出来事が起こっています。でも、もう寝る時間になってしまいました。続きをもっと書きますので、お楽しみに。おやすみなさい!