魔女の雫

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小バエになって姿を現した幽霊(アメリカ・ニューヨーク)

angry!

これからお話しすることは、私には初めてのことなので、どなたか考えを教えていただけたらと思っています。

 

私の元夫は人生の終わりの頃、怒りっぽくなり、他人への憎しみが非常に強くなり、ついに精神病を患ってしまいました。 5年もの間、私以外にも本気になった女性やガールフレンドが何人かいたくせに、彼は私と別れようとはしませんでした。彼はいつも私が良き妻で、自分のものだと思っていたのです。彼は私を滅茶苦茶にすることと、自分を取り戻すこととの間でゆれていたようです。

 

そのため彼は何かひとつの問題が起こると、すぐにすべてを忘れ、その物事だけに執着するようになっていたのです。コンピュータの調子が悪い時、飼っているペットに問題があったとき、初めて心臓発作が起きた時、またその後の胸の痛みを感じた時と、ことあるごとに彼は私に電話してきて、その時には私にあれだけ言っていた文句や不満も忘れていたのでした。私は子供たちのためにも、なんとか彼と仲良くしようと努力していました。

 

彼は一番上の子供が付き添っていたときに、居間で亡くなりました。激しい胸の痛みのために入院し、退院した後でした。彼は自分はもう大丈夫だと、退院できると看護師に主張していたそうです。それから2時間もしないうちに死んでしまったのです。47歳でした。

 

彼が亡くなってから2日後、私は彼が所有していた書類や写真を取りに、彼の家に一人で行きました。私は2時間もの間、彼の服を袋に入れたり、ファイルキャビネットを整理したりしました。私は、彼の家に一人でいることや、彼がそこで死んだという事に気が滅入るどころか、逆にとても快適で安全だと感じていたのです。彼の怒りや私に対しての憎しみも、彼の死と一緒に消えてしまったようでした。

 

私は子供たちと、ものを取りに行くだけではなく、彼の家を何回か訪れました。その度に、彼が家にいて私たちを見ている感じがしていました。彼は私が家に入ること、私や子どもたちのものを受けとること、そして彼の家族の代わりに彼の私物を処分することを許したんだと思います。

 

数週間後、私は今の夫と、元夫の家へ芝刈り機をとりに行きました。現在の夫と、嫌っていた元夫の家にいるというのはいい気がしませんでした。その気持ちは、私たちが彼の家に入るずっと前から始まっていたのですが、今の夫が元夫のものを眺めているのを目にしたとき、さらにひどくなりました。今の夫には元夫の気持ちを尊重して、彼の家には入らないでいて欲しかったのですが、夫にばかげていると言われてしまったので、それ以上言えなかったのです。

 

数分後、さらに不快感が強くなっていきました。私は夫を早くこの家から追い出すということしか考えていませんでした。子供のために置いておいたツナ缶やスパゲッティなどが私に向かって落ちてくるように感じ始めました。その数分後、私の不快感がさらに高まり、小バエが飛び始めたのです。

 

本当のハエではなく、架空のものです。夏によく飛んでいる小バエと言えば、どのようなものか分かってもらえると思います。本能的に手を振ってしまうこの頭の近くを飛ぶ黒いハエ。私はよける代わりに手で叩きました。小バエなんていなかったのに。私は気持ち悪くなり、夫を車に乗り込んで家に戻り、二度と夫を連れていかないと誓ったのでした。。

 

その後、数回彼の家にいきましたが、その間小バエを目にしたり、気持ちが悪くなったりすることはありませんでした。1年以上が経ち、銀行が家を差し押さえたため、家は空になりました。私の人生は再び平和になり、私が小バエをたたいたあの日から2度目のクリスマスの準備をする季節になりました。どういうわけかその時、私は彼の家が売りに出されたことで、彼が私たちの家に引っ越してきたのではないか、と感じていました。

 

その翌日、私は車を運転して元夫の家の近くを通りましたが、家はまだ売れてはいませんでした。売り出し中の看板とゴミ箱があっただけで、銀行が内見者を通すため、家の中のものを取り除き、売る準備をしていたようでした。

 

ところがまた、小バエが数週もの間、常に私の右側にいるようになったのです。気にはなりませんでしたが、私は夫にそのことを話してみました。彼は私の話しを真剣に聞いてくれましたが、いつもしていたように元夫が私に付きまとっている、というジョークに変えて私たちを笑わせました。

 

私が知っている霊能者に話したところ、それは1人じゃなく複数で、彼が家族も連れてきており、これが休暇になると時々起こるだろうと言ってくるので、私は悩みました。私の元をうろついているのは、なんと元夫だけではなく、義理の母もだったようです!

 

その後、一ヶ月くらい小バエを目撃していた私ですが、その夜は一人でベッドにいました。子供たちは眠っていて、夫は夜勤でしたが、ベッドの端に誰かが座っているのを感じたのです。小バエを目にすることはもう慣れていましたが、気配を感じることはいままでありませんでした。私は何もないところに向かいいいました「あなたがここをうろうろして、子供たちや私を監視していても構わないわ。でも、それを私に知らさないでくれる...」すると気配がすっと消えたのです。

 

次のクリスマスには彼のお気に入りだったキッチンで1度小バエを目にしただけで、その後は見ることはなくなりました。その時私は、キッチンで彼の大好きだった料理を作っていたのです。私は彼がそこにいることを知らせに来たんだと感じました。

 

先日、私がPCで怖い話を呼んでいると、視界の右側に黒い点が目に入りました。きっと私が恐がっているのを見て、彼がからかいに来たのでしょう。

 

みなさんは、幽霊が点のような黒い小バエとして現れるのを経験したり聞いたりしたことがありますか?