魔女の雫

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私の友達サリー(アメリカ・カリフォルニア)

Girl

私の名前はアナです。この話は私が9歳ごろに起きた出来事です。私は7歳のとき、兄2人と姉1人、弟のジュン、そして母と共に日本からロサンゼルスへ移住しました。両親が離婚した訳ではなく、父は仕事の為に日本に残らなければいけませんでした。1年後、父も遅れて移住する事が出来ました。

 

 ある日、母、兄のマシュー、そして姉のケイトリンは、ジュンとロンと私が留守番をしている間にスーパーへと 買い物に出掛けました。ジュンと私が遊んでいると、誰かに髪を引っ張られた感じがしました。私はロンだと思い、ロンを叩き返した為喧嘩になってしまいました。私はロンに髪の毛を引っ張られた事を話しましたが、ロンは特に気にしていなかったので、私も忘れる事にしました。

 

 そして次の日、両親の部屋で絵を描くための紙を探していると、私と同い年位の女の子が入口に立っている事に気づきました。彼女は茶色の髪をおさげにしていて、膝丈の白いドレスを着ていました。少しの間視線が合った後、彼女は何も言わずに去って行きました。その日は家に来客があったので、訪れていた夫婦の娘ではないかと思い母に聞いてみました。しかし、母は私が何を言っているのか理解できず、口論となり、母がイライラしきたので話すのを辞めました。

 

 2日後、リビングでテレビを見ているとケイトリンが「友達が玄関で待ってるよ」と言いながら部屋に入ってきました。私は「誰?この辺りで知ってる人はいないよ?」と聞きました。すると、ケイトリンは私を引っ張り玄関まで連れて行きましたが、そこには誰も居ませんでした。

 

ケイトリンは混乱した様に「さっきまでいたんだけど…」と言いました。私がその子の容姿を聞くと、先日両親の部屋で見た女の子の特徴と一緒でした。私は好奇心を抱き、次また女の子を見かけたら声を掛けて、何故私に会いに来るのか聞いてみようと思いました。その頃はまだ若かったので、恐怖はなく、“幽霊”という文字も一切頭に浮かびませんでした。

 

その後、彼女を見かける事もなく3週間が過ぎました。私はマシューの部屋でビデオゲームを探している、ジュンとロンのところに行きました。私はただ理由もなく、部屋に座ってていました。その時です!あの女の子が、マシューのベッドの上にいるではないですか!ジュンとロンは探しものに夢中で彼女に気づいていません。

 

私は叫びながら「ねぇ!なんで私についてくるの?何かほしいの?」と聞きました。兄たちは誰に対して叫んでるのか聞いてきましたが、私は無視しました。女の子はマシューの部屋を出て、私の部屋に向かっていったので、私は彼女についていく事にしました。

 

私が彼女に話しかけると、思いもよらず彼女から返事が帰ってきました。彼女は自分は既に亡くなっていて、ここはかつて彼女の家であったと話しました。彼女の姉は、自分よりも彼女の方が愛されていると思っていた為、嫉妬から彼女と両親を殺害してしまったそうです。勿論、両親は二人の事を同じように愛していました。姉に殺されたにも関わらず、彼女は今でも生きている姉に会いたいと言いました。私は自分の耳を信じることができませんでした。

 

私は彼女の言っている事が信じられず、何かの悪ふざけだろうと思いました。「あなたの名前は?何で私についてくるの?冗談が本当に上手ね。本当に気味が悪くなってきちゃった。」と言いました。彼女は「私の名前はサリー。これは冗談なんかじゃなくて、私は本当に幽霊なの。信じられないなら証明して見せるね。」と言い終えると、彼女は壁をすり抜けて部屋を出て、すぐに戻ってきました。私は実際に幽霊と会話をしている事に恐怖を覚え、叫びたくなりました。

 

しかし、その感情とは別に「幽霊って普通は悪い人なんじゃないの?あなたは良い人みたいだけど?」と聞いている自分がいました。彼女は自分が悪い存在では無く、ただ友達が欲しいだけだと言いました。彼女が言うには、この家に越してきたのは私たちが3番目で、毎回誰かが引っ越して来る度に友達になろうとしたけれど、その度に人を怖がらせてしまい、最終的にみんな引っ越してしまったという事を話してくれました。

 

 私は現在13歳です。あの出来事以来、サリーが怖いと思う事はなくなりました。彼女の存在を知るのは私だけですが、私達は毎日会話をする様な友達になりました。