かくれんぼと少年
私のいとこは、田舎の大きな農園に住んでいます。農園には大きな家や、納屋、家畜小屋などがありました。毎年、感謝祭のときは、私たちも彼らの農園まで車で訪れます。なんせ彼らは大きな家を持っているので、いろんな家族が集まっても、十分なスペースがあったのです。
11月なのに半袖で過ごせるくらいの気候で、とても暖かく、私たちは親に外で遊ぶよう言われました。ジョンという最年長のいとこは、かくれんぼをしよう、と私たちを誘います。私たちももちろん乗り気です。ところが私たちが逃げる前に、ジョンはもう誰も使っていないゲストハウスを指さし、「あそこは幽霊が出る」と言い出しました。しかしジョンはうそつきなことで有名で、この時も私たちの誰もがジョンを信じていなかったのです。しかし、ああ、彼は確かに正しかった。
私と同じ年のいとこのジョージは、この使われていないゲストハウスにあえて隠れました。ペンキをはがした暗い家で、とても不気味だったのですが、怖いというと同い年のジョージに馬鹿になれる、と思った私は、強がりながらついていきました。
きしむゲストハウスのドアをあけ、こっそりとなかに忍び込みました。きしむ腐った階段をのぼって2階まで行き、とりあえず目に入った部屋に入ってみました。部屋は血のような金属のにおいがしましたが、私は部屋にあるクローゼットの中に忍び込みます。クローゼットの中にはちょうどよく黒いマントがぶら下がっていたので、そのマントの後ろに隠れました。私が15〜20分間くらいそこに隠れていると、階下のドアがきしむ音がするのです。
すると小さな男の子がくすくす笑う声がしましたが、私はきっとジョージがふざけているのだと思い、そのまま隠れていました。声と足音はどんどん近づいて、私が隠れている部屋の前で止まりました。私は凍りつき、必死で恐怖を抑えようとします。しかしその小さな男の子は部屋に入ってきたのです。
彼はジョージではありませんでした。小さな少年は青ざめていて、血にまみれています。彼は床に座ると、狂ったように笑い出しまたが、私は恐ろしくもう彼のことを見られませんでした。その後笑い声がやんだところで、私はクローゼットを飛び出し、階下に全速力で逃げ、両親が私が見つからないと心配して警察に電話をかけようとしているところに飛び込みました。そんな私にジョンは一言鋭く叫びます。「だから行くなと言ったのに!」
わたしは、彼の小さいときに同じことが起こったことを悟りました。