私のいとこのノーマ、そしてノーマの旦那さんは新しい家に引越しをすることになりました。私は彼女達の引越しの手伝いに行く事になったのですが、引越し当日、初めて彼女の家に足を踏み入れた私はなんとも言えない不気味な空気を感じました。
私はその事をノーマに話したのですが、彼女は荷物を片付けて整理すれば気分も良くなるでしょうと言いました。「まだこの家が空っぽだからそう感じるのよ」と彼女が言うので私は自分が感じた気味の悪さはもう忘れることにしました。
そして数週間後、ノーマから私のお母さんに電話がありました。電話を切った後、お母さんはノーマが事故にあったためすぐに彼女のもとへ行かなければならないと言いました。
私たちが家に到着するとノーマの家は真っ暗でした。私はノーマの自宅へ来る道中も彼女の車を見かけなかったので、とても心配な気持ちでした。
家に着くなりお母さんが何度もノーマの家のドアをノックしましたが応答は無く、中に誰かがいる気配もありません。私たちは結局ノーマには会えませんでした。私たちの家はノーマの自宅から車で10分ほどの所に住んでいるので、その日はそのまま帰ることにしました。
翌朝、お母さんがノーマの自宅へ電話をかけました。すると電話を取ったのはノーマではなく老婆だったのです。そしてお母さんは「そこはノーマの家で、ノーマが住んでいるでしょう?」と尋ねました。
しかしその老婆は「ここに住んでいるのは自分だけでここには15年住んでいる」と言い、「何かの冗談ですか?」と尋ね返してきました。彼女はこの家にノーマという人物は住んでいないと答えたそうです。
お母さんは電話番号を何度も確認しましたが、電話番号は間違いなくノーマの自宅の電話番号でした。そこでもう一度私が同じ番号にかけ直して見ましたが今度は誰も電話を取りませんでした。
3度目にかけたとき、さっきの老婆が電話に出ましたが私は怖くなり「電話番号を間違えました」と言い電話を切りました。
そして1週間後、私はスーパーマーケットでノーマに会いました。私はノーマに「いつ電話してもお婆さんが電話に出るけど、あなたの義理のお母さんが引っ越してきたの?」と尋ねてみました。すると突然ノーマの顔が真っ青になったのです。
実はあの家には幽霊が出るので2週間前に義理のお母さんの家に引っ越しをしていたのです。ノーマはあの家で暮らしていたとき、見たこともない老婆が家の中を歩いていたのを見かけ、そして老婆はノーマに囁くように話しかけたと言います。しかしノーマが驚きのあまり大声で叫ぶと老婆は忽然と姿を消したそうです。。
あの家にはノーマとノーマの旦那さんの2人しか暮らしていなかったはずなのに毎晩真夜中にシャワーを浴びる音、食器を叩く音や水の音が聞こえたと言いました。
ノーマは様々な出来事が怖くなりすぐに引越し業者を雇い引越したのです。私は未だに車であの家の近くを通る度に気味が悪く悪感がします。私が最後に聞いた話では、ノーマが引っ越した後、別のカップルが引っ越して来たようですが、またすぐに出て行ってしまったそうです。
その後も夜、誰も住んでいないはずのあの家の前を通ると、屋根裏部屋にひっそりと灯りが灯されているのです。