魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

消えた手(アメリカ・オハイオ)

Hand Discarded

私の話しを何度か聞いている人だったら、以前にお話しした例の幽霊屋敷のことを思い出すでしょう。手短に言うと、成仏していない魂に取り憑かれていた家の話です。

 

私が10代だったある日、隣人が、地下室の掃除を手伝って小遣い稼ぎをしたくないかと聞いてきました。私はこの家はどんなところか、すべてを知っていたのですが、お金の魅力には勝てず、日のあるうちは何も起きることはなかったのもあり、私はその仕事をうけることにしたのです。

 

まず、私たちは彼が長年にわたって溜め込んだがらくたを取り除くことから始めました。次に、床下が広く使えるように、床下の汚れを取り除こうと考えました。その頃の私は、体が小さかったので、その仕事には好都合だったのです。

 

一時間ほど床下掃除をしていましたが、休憩を取る直前にあるものを発見しました。手です。それはガラガラを持った古い赤ちゃんの人形の手のように見えました。その時はあまり良く見えず、人形の手だろうと思ったものの、どうしたらいいのかわからなかったので、私はそれを自分の服のポケットに入れ、作業を続けたのでした。

 

そして、床下の穴から出た時、私の友人がいたので、そのことを彼にも話しました。しかし、彼が私の話しを信じてくれなかったので、私はポケットからそれを取り出して、彼に投げ渡しました。彼は一目見て「おい、ふざけんなよ」と言い、慌てて投げ戻してきたのです。

 

私は戻ってきたそれをもう一度じっくり見てみました。するとそれは、手首の真上で切り取られた本物の幼児の手だったのです。私も慌てて、もっとよく見て確かめるよう彼に投げ返して頼みましたが、彼はもう二度と触りたくないと断固拒否し、地面にそれを落としてしまったのです。私は無くしたくは無かったので拾いに行きましたが、落ちたであろう場所やその周りをくまなく探しましたが、二度と見つけることはできませんでした。

 

今でもその友人はその時のことを思い出したくないといいます。その家に近づこうともしません。あなたはこの話がでっち上げだとか、人形の手だったんだと言うかもしれません。ただ、私も私の友人もその場にいて実際に目にしたし、その家がどういうところか、後に何が起こったのかもわかっているのです。