魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

私を変えた家(オーストラリア)

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去年の初め、私と3人の友人は大学に進学するため、故郷のメルボルンから、シェパートンという田舎の町に引っ越しました。前期の授業が開始される前までに、家を探すのは大変でした。

 

4人の学生が一緒に住めるような家はなかなかなかったのです。どの不動産屋も、私たちを相手にしてくれませんでした。しかし、私たちは、不動産屋で働くジェシカという若い女性と出会い、彼女といっしょに私たちは、シェパートンにある何件かの家を見学しました。そして最後に、彼女が特別に準備してくれていた家を見せてくれました。私たちはその家をすぐに気に入りました。

 

家主さんとの契約はあっさり済み、これまでの契約の煩わしさを考えると、とても簡単に感じました。また、この家は数カ月間もの間、賃貸住宅として出回っていたこともわかりました。私たちは幽霊屋敷かもしれないと冗談を言っていましたが、まさか本当のことだとは誰も思っていませんでした。

 

引っ越しをして、私が最初に違和感を覚えたのは、一人で家にいるときでした。その後私が猫を飼い始めた後、気味悪い出来事があったのです。それは、私と同居しているアダムが体験しました。ある夜、アダムはベッドで寝ていました。彼が目を覚ますと、ベッドの端にほんのり光り輝く人が立っており、じっと彼を見つめていたのです。彼が携帯電話で写真をとっていて、それを見なければこの話を信じなかったでしょう。

 

その写真に写っていたのは、光を放っている少女のようでした。そして、その少女の顔は、黒く四角い何かで薄気味悪く覆い隠されていたのです。とても奇妙でした。その写真をいろいろな人に見せると、誰もがこの出来事を信じて気味悪がりました。

 

そこで、どうにか工夫してアダムの真っ暗な部屋で同じような写真を撮ろうとしましたが、うまくいきませんでした。懐中電灯を使って写真を撮ってみても、ぼかしたようになり、少女から放たれていた光を再現することはできなかったのです。しかし、これだけのことが起こっても、私はまだ完全にはこの話を信じていませんでした。

 

ある時私たち3人がメルボルンに里帰りをした日のこと。ルームメイトの1人のドミは翌日仕事があったため、1人でシェパートンの家に残っていました。彼女が夜音楽を聴きながら眠ろうとしていた時です。バタン!とトイレのドアが閉まる、大きな音がしたのです。

 

ちょうどトイレに行ったばかりで、ドアを閉めたはずでしたなのに・・・ドミはびっくりしましたが、彼女は怖くなって目を閉じて、ベッドに潜り込みました。しかし、目を閉じていても、アダムの話した光る少女の気配を感じてドミは怖くなり、その夜一晩中眠れずにいました。後日話を聞くと、その光はまるで雷が光るようだったと私に話してくれました。彼女はかなり怖がりましたが、しばらくすると落ち着きを取り戻し、眠りに落ちました。

 

この数週間後、ドミと私はマイ・ケミカル・ロマンスのDVDを観ていました。猫のヘンリーは私の膝の上に座っていました。私のボーイフレンドのトニーは買い出しに行き、アダムはガールフレンドの家に泊まっていました。

 

私たちはDVDを大音量にして観ていると、キッチンからキャットフードの箱が置いてある棚が揺れるような音が、大きく鳴り響いたのです。それを聞いた私たちはすぐに、DVDをとめて、お互いの顔を見合わせました。猫のヘンリーは音のする方へ行ってしまいましたが、私たちは怖くなって家の外に逃げ出しました。逃げる間も音はずっと鳴り続けていました。

 

そのときちょうどトニーが買い出しから戻ったので、彼の車に乗って逃げました。この出来事があって以降、私は色々な話を信じ始めました。

 

これらの恐ろしい出来事の他にも、たくさんのおかしい出来事がありました。その後わかったことは、家には親子の霊がいるということでした。父親は悪意があるようでしたが、娘は無害のようでした。ちなみに私は父親の幽霊のような影を見たことがあります。トニーは父と娘、2人とも見たそうで、そのとき無数の話し声のようなものが聞こえたそうです。

 

私達は家をお祓いしてもらうために、霊媒師の元へ訪れました。お祈りの途中で大声で私は自分の名前を言わされましたが不安には感じず、むしろ私は霊から認められたように感じ、私はこの後、ずっと気分が良くなりました。

 

私は今、幽霊や霊、そして霊界が存在することを信じています。