魔女の雫

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市長堂の幽霊:イエズス会の修道士(プエルトリコ)

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これは1985年、ポンセの市庁舎"カサ・アルカルディア"でのことでした。 友人と私は美術展を見に来ていました。その時 私は、茶色の長い礼服を身にまとい、長いロープのようなものを腰に巻いていて、木製の長い十字架を持つ、ある修道士を見かけたのです。

 

私は彼の後ろ姿しか見ていないので、友人に修道士を見たかどうか確認すると、彼女は見なかったと答えました。 私は彼女にその修道士を見せるため、ついてくるように言いました。 それでも、彼女には見えなかったのです。

 

私はその修道士の顔を確認しようとしましたが、見えません。私が彼を見ようとしても、彼は歩き続けるのです。私が見たのは彼の耳だけで、修道士の顔は展示された絵画に向けられていたせいか、横顔は見えませんでした。そして修道士は歩き始めました。

 

私は友人についてくるように言いました。 私はそのような出で立ちの司祭を見たことがなかったため、彼を追いかけました。彼は2階に行くため、左の方にある階段へと進みました。私は2階も一般に公開されているものだと思い、そのままついて行きました。

 

階段を昇ると、2階の門は閉されたままで、そこは真っ暗で誰もいません。 友人は私に「どうかしたの?』と尋ねてきたので、私は「もうそのことは忘れて。修道士を見たと思ったんだけどな。」と言いました。まあ、確かにこの目で見たんですけどね!

 

2年後、私は同じ建物の外にある、1階の市役所の観光局で働くよう声がかかりました。 ある日、上司から町にある何か面白い事について、調査をするようにと言われました。そこで私は、上司にこの建物の歴史について尋ねました。彼は、そこがかつてイエズス会の教会であったこと、すぐ近くに墓地があることを教えてくれました。

 

続けて、私はこの場所にまつわる奇妙な話を聞いたことがあるか、上司に尋ねてみました。すると上司はこう言ったのです。「あるさ。僕自身が経験したこともあるよ。」 ある夜、その上司が一人でポンセのカーニバルに関連するものを探していた時のこと、黒いマントとフードをまとった背の高い男を見かけたそうです。その男の手に触れると、とても冷たかったといいます。 何故触ったのか、もはや上司には分かりません。そしてその男はこつぜんと消えたのです。

 

ある日、私は作業員と事務所の2階に行ってみることにしました。 鍵を開け、 南京錠を安全な場所に置き、それから私たちは衣装を探しに行きました。そう、あの修道士が着ていた衣装や、上司の見た謎の男の衣装の手がかかりを探しに。

 

私たちが見終えて戻ってくると、南京錠はそこにはありません。 私たちは怖くなりました。しばらくして、その南京錠は椅子の上で見つかり、私たちはすぐさま出て行きました。 あまりの恐怖から胃がきりきりし、その日以来、私は2階に上がることはありませんでした。

 

のちに、この場所で修道士、奴隷、その他の人々の亡霊を見たという話があることを知りました。 なんて恐ろしい!

 

 

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