魔女の雫

世界の怖い話を紹介する怪談ブログです。 紹介しているお話は全て実話。眠れない長い夜にでもお楽しみください。またあなたの体験した怖い話を募集しています。投稿はwitch-shizuku@gmail.comまで。

ブルックリンの苦しみ(アメリカ・ニューヨーク)

Apart From Me

1998年4月1日、私が14歳の時にサケットストリート、455Aに引っ越しました。引っ越した瞬間から、何かが不気味なものを感じていました。とても暗いアパートだったからです。

 

しかし、そのアパートは私達家族にとって初めての3階建てのもので、とても楽しみにしていました。アパートは地下を含めて3階建てで、とても素敵でした。誰かがあなたの後ろに立っていて、どこにいても見られているという感覚を無視することができたなら…。

 

初めての悲劇は、入居してから2週間も経たない頃に起きました。私は近所の男に自分の寝室でレイプされたのです。隣の店を営んでいたおばあさんによると、私達が引っ越したアパートに1年以上住んでいた人は、覚えている限りではいないそうで、みんな引越してから数週間経たないうちに悲劇に見舞われ、そのアパートを退去するまであらゆる悲劇が起こり続けたと言うのです。

 

私達家族は全員、不気味なアパートだと思っていたものの、悲劇といえるまでの出来事には遭遇しませんでした。アパートはとても居心地が悪く、寒くて、常に湿ってたので、部屋を飾ったり、雰囲気を変えようとしてみましたが、その「不気味さ」が消えることはありませんでした。

 

そしておかしなことに、どうやっても部屋に電話を設置することが出来なかったのです。電話会社には4回以上電話線を修理してもらいましたが、何度やってみてもらっても、一向に繋がらず、私達は文字通り孤立していました。

 

私達がそのアパートで暮らしている間、奇妙なことは起こり続けました。弟のベッドの上の天井が崩れ落ちりもしました。この時は、たまたま弟はトイレに行っていたので大事には至らずにすみました。私の部屋で火事が起こったりもしました。これは消防署も原因を特定出来ずに終わりました。

 

もし私の友人がたまたま家に立ち寄って、玄関の呼び鈴を鳴らしてくれなければ、私は眠ったままだったでしょう。呼び鈴に答えてから5分も経たないうちに、隣人が私の部屋が燃えている!と叫んで教えてくれ、その声で私は家まで走ったのです。壁全体が燃えていました。毛布を引っ張り出して、どうにか火を消そうと必死になっていたところ、突然、後ろのドアが閉まり、真っ暗な中で私は気を失いかけました。有難いことに、友人がドアをこじ開け、私を下の階まで降ろしてくれ助かったのです。

 

その事件の後、隣人が私達の住むアパートで、いつも「奇妙なこと」が起こっていると打ち明けてくれました。1930年代から1940年代には、ある家族が入居してから1か月もしないうちに、小さな男の子が火事で亡くなりました。1960年代には、カップルが陰湿な事件に巻き込まれ、何者かに強打されました。この他の記録は、教会が火事で焼けてしまい、知ることはできませんでした。

 

友人からも、私のアパートにやってきた時、焦げたぼろきれに身をまとった男の子が、私の浴室の鏡で彼女を見つめていたと聞かされました。彼女は泣き叫び、それ以来、私達の家に足を踏み入れるのを断固として拒否するようになったのです。また別の時には、家に泊まっていた友人が夜中に目を覚ますと、女性が私の部屋に入ってくるのが見たそうです。どちらの友人にも私達の経験や過去の事件の話はしていなかったにも関わらず・・・

 

またある日、弟と私が階下から子供たちが泣き笑う声を聞き、部屋を出ようとした時、その部屋に鍵が無いにも関わらず、1時間近く閉じ込められたこともありました。母が地下室で洗濯をしていた時には、急に照明が消え、冷たい手が母の肩を掴んできたというのです。その後に父も、地下で洗濯ものをした際に、異臭や、不気味な音、そして何者かの気配を感じたそうです・・・。これから何かとてつもなく嫌なことが起こりそうな、不気味な感覚がありました・・・。

 

一年後、私達は新しいアパートが見つけるとすぐに、引っ越しました。次に引っ越してきた人たちが、地下室を改修しようとしたところ、壁の中から小さな男の子の遺体が発見されたと聞きました。彼らは一晩もたたないうちにアパートを引き払い、二度と戻ってくることはありませんでした。別の夫婦が引っ越してきたのも束の間、また去っていき、現在に至ります。

 

私は、看護師である母の勤務先に神経症で通っていた女性に出会いました。母が、彼女の保険カードの住所が、記載されている住所と一致していないことに気付き尋ねると、その女性は、サケットストリート455Aに数か月住んでいたが、入居してすぐに様々な悲劇に見舞われ、さらには母親が亡くなったために立ち去らなければならなかった、と言ってきたのです。母は女性に奇妙なことがあったかどうか尋ねました...女性は私たちが経験したことと同じようなことを、事細かに説明してくれました。

 

私たちは今、元気にしています。過去に囚われず、外の世界に出られて幸せです。今でも時々その頃の隣人を見かけます。彼女は、神から見捨てられた家から引っ越したことは、私たちにとって最高の決断だったといつも言ってきます。勿論、私たちもそう思っています。あのアパートを引越してからというもの、私たちが霊に悩まされることはなくなったからです。

 

1つ、私達が学んだことがあるとするのであれば、それは自らの本能を信じて行動するということでしょうか。どこかから何か恐ろしい雰囲気を感じた場合、それを気のせいだと無視するなんて愚かなことはしないでください...その本能は、多くのトラブルからあなたを救うかもしれませんから。

 

 

ghost-witch-shizuku.com

ghost-witch-shizuku.com

ghost-witch-shizuku.com