魔女の雫

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ケイトの不気味な部屋(オーストラリア)

Ned's Beds (4)

これは私が祖父母と叔母さん、そして叔母さんの子供達の住んでいる家に滞在していた時の出来事です。私の叔母さんは入院する事になり、前日に腸を空っぽにする為、大量の下剤を服用しなければいけませんでした。祖父母も留守にしていた為、私と従妹は叔母さんの子供達の面倒を見る為に滞在していました。

 

祖父母の家には寝室が3部屋あり、その3部屋とも同じ家の一角にあります。私は従妹のケイトが普段使っている部屋を使う事になりました。従妹のスティーブンは私の部屋から少し離れた部屋を使用し、ケイトは従妹のレイチェルと共に、祖父母の部屋を使う事になりました。叔母さんはトイレに行く度に家族を起こしたくないという事で、リビングにあるソファーで寝る事にしました。

 

就寝時間になり、私はケイトのベッドに横になって、おばさんが明かりを消しに来るのを待っていました(私は当時11歳でした)。 目を閉じて横になっていると、足の先に引っ掻かれる様な感覚がありました。祖父母は 犬や猫を何匹か飼っていたので、そのうちの1匹だろうと思い、足元を確認しましたが誰も居ません。それにも関わらず、引っ掻かれる様な感覚が続きました。

 

叔母さんが部屋の明かりを消しに来た時、一緒に寝れる様にと新しい子猫を連れてきてくれました。少し怖くなってきた私は、子猫の頭を撫で始めたのですが、子猫は私の頭の後ろにある壁をじっと見つめて動きません。そして次の瞬間、子猫が急にパニックを起こし、空いていた部屋のドアから逃げていきました。まだ夏で暑い時期にも関わらず、部屋を見回すと何故か寒いような、冷たいような感覚がしました。

 

ケイトのベッドは窓際にある為、外の音がすべて聞こえます。私が寝付けずにいると、外から2人の男性が話している声が聞こえてきました。最初は、家の前を通り過ぎていく人達だと思ったのですが、地元の人にしては丁寧すぎる言葉遣いに違和感を感じました。誰が歩いているんだろう?と思い、窓の外を見ましたが誰もいません。それにも関わらず、まだ男性の会話が聞こえてきます。

 

ベッドに横になろうとした瞬間、暗闇に浮かぶ人の影に気づき飛び跳ねました。従妹のケイトが、いつの間にか部屋の中に入ってきていたのです。ベッドに戻るように叱りながら、祖父母の部屋へ連れて行き、ドアを閉めました。自分の部屋に戻り寝ようとしましたが、まったく寝付けません。

 

男性の会話はもう聞こえませんでしたが、部屋の中がまた寒くなってきたので、ブランケットを取りにいこうと起き上がりました。電気のスイッチがあるドアの方を見ると、また小さな人影が目にとまりました。私は凍り付きました。長い髪と背の低さから、ケイトではない事が直ぐに分かりました。そもそも祖父母の部屋のドアは、開け閉めする際に大きな音がします。私はケイトを部屋に連れていった際にドアを閉めたので、ドアが空いたら気づくはずです。

 

謎の人影は手に光る何かを持っていました。私には長いナイフの刃の様に見えました。そしてその人影はゆっくりと私の方へと近づいてきたんです!私はリビングにいる叔母さんに聞こえる様、精一杯叫び、恐怖から目を閉じました。

 

叔母さんは直ぐに部屋へ駆けつけ、明かりをつけて、何があったのか聞きました。 私はおばさんに返事をせず、ベッドから飛び出して従妹のケイトが寝ている部屋に駆け込みました。ケイトはぐっすりと眠っています。やはり、あの人影は間違いなくケイトではありませんでした。

 

私はすっかり怖くなってしまい、その部屋で寝ることを拒否しました。叔母さんはタバコを吸う為に家の反対側にあるキッチンに向かったので、私もついて行きました。タバコを吸い終わると、おばさんはまたトイレに行かなければならず、私はそこで一人待つ事にしました。その時、犬が私の足元に座っている事に気づいたので、腰を下して撫でていると、急に誰かの手が私の背中を優しく撫でました。 まるで「大丈夫だよ」と安心させる様に・・・ 立ち上がって振り返ると、そこには誰もいませんでした。

 

その日を境に、私がケイトの部屋で寝る事は無くなりました。後に分かった事ですが、ケイトも時々何かを見たり聞いたりしていたそうです。

 

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