スウェーデンの集団失踪事件
みなさんは集団失踪事件を聞いたことがあるでしょうか。世の中には行方不明になる方がたくさんいらっしゃいます。そのうちの9割は夜逃げや家出の状態が多いと言われています。では、残りの1割はなんでしょうか。事件に巻き込まれた、または誘拐。なにか、危険な状態で発見されることがあるそうです。
では、もっともっと少ない残りの割合は何でしょうか。実は完全に消えてしまっているんです。今回、話すのはスウェーデンで起きた未解決事件です。未だに手がかりは一つもないものの、そのヒントとなるものが散らばっているという奇妙な事件です。何故この様なことが起きたのでしょうか。
1965年の夏。スウェーデン南部の南町、ヨーテボリで、その町に住む若い男性3人が突如消えてしまいます。まずは消えたとされる3人のプロフィールです。
1人目、ゲイ・カールソン当時22歳 2人目、ヨーンオロフ・ダールシュ当時21歳 3人目、シュルオーケ・ヨハンソン当時16歳 事件当日にこの3人はキャンプに行くと言っていたそうです。しかし、天候は大雨でかなり気温も低かったため、家族はキャンプを止めるのですが彼らは忠告を無視し、2人目の失踪者ダールシュの兄の車を借りて出て行ってしまいました。
ここでかなり不可解なのは彼らが全員免許を持っていなかったということ。日常的に無免許運転をしてたかは不明ですが、彼らは町ではやんちゃな若者といわれてたそうです。そして彼らが出発してから、彼らの姿を見た者は誰もいません。さらに消えたのは彼らだけではなかったのです。
時を同じくして4人目の失踪者が現れます。それがヒューブナールンド・グヴィスト、当時18歳でした。彼はストックホルムから、先ほどの3人と同じヨーテボリの南で夏休みを過ごしていました。
しかし、朝、出かけると言い残し3人と同じ日に行方不明になります。4人目の彼に関しては、途中家族に「大丈夫」とメッセージを送っているのですが、やはり行方不明になってしまいます。この事件はここで終わりなのですが、よく見ていくと不可解な点が多いんです。
まず、当時は集団失踪事件として捜査されませんでした。理由は家族が捜索願をみんなバラバラに出したからです。後に3人はキャンプに行っていおり、後から4人目が失踪していたことが分かったのです。
車を貸した兄やキャンプを止めた家族は、最初の3人が行動を共にしていたと知る人がいるはずなのですが、証言がないため、捜索願がバラバラに出されてしまったのです。
さらに不可解な証言が出てきます。それは1人目の失踪者、カールソンの妹の証言です。失踪後に妹がカールソンの家に行くと、見知らぬ男性が家にいて、その男性は兄のセーターを着ていまいた。妹が兄の所在地を聞くとパブ地区にいると答えたそうです。警察はパブ地区とこの男を捜索しますが、どちらも見つからなかったそうです。
もう一つ、同じ日にヨーテボリでは大きな事件が起きていました。それが銀行強盗です。2人組の男が銀行を襲撃しましたが、1人が足を撃たれて強盗は失敗してしまいます。2人はダイビングスーツに着替え川へ飛び込んだそうです。
結局犯人は見つかっておらず、地元では『カエル男強盗』として知られています。この事件と4人の失踪は、何らかの関係があるのではないか、と言われているそうですが、未だに50年以上手がかりが見つかっていないのです。
あなたはこの話を聞いて、何か引っかかる点や違和感を感じませんでしたか?地元では3人の家族がこの事件をかばっている、あるいは真相を知っている、といわれているそうです。海外では、未解決事件といえばこの事件、というくらい有名なお話になっています。