魔女の雫

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マンゴーの木のそばにいる悪霊(カンボジア)

Mango

...カンボジアでは、夜のある時間帯に歩いているときは、悪いことを考えてはいけないと言われています。これはクメール・ルージュ政権時代のことで、叔母は子供たちがお腹を空かせていたので、子供と一緒に森の中に食べ物を探しに行くことにしました。すると新鮮なマンゴーがたくさん成っている木があったので、みんなでマンゴーの木に登って実を採ることにしました。

 

すると突然、子供の一人が「おばけ!」と叫んび、子供たちはみんな飛び降りて走り出しました。走っている間に、一人の男の子がみんなに「振り返るな」と叫びました。

 

しかし、叔母が振り返えってしまい、後ろから白い服を着た女性が、地面に触れるほどの長い髪の毛を振り乱しながら、悪魔のような顔をして追いかけてくるのが見えました。恐怖におびえて、誰もが一心不乱に走り続けます。一番後ろを走っていた叔母が倒れたので、子供の中の一人が助け起こしてあげました。みんな泣き叫びながら走って村に帰っていきます。

 

数日が経ち、叔母は重病にかかりました。髪の毛が抜け落ち、とても痩せたので、村の人々は彼女に霊媒師に会うことをすすめました。

 

霊媒師が来て、叔母の様子を見ると、彼女が病気なった理由は、彼女が霊を見て、その霊はグループにいた8歳の子供を呪うためだったのだが、実際に姿を見た彼女を呪った、ということだった。霊媒師はお払いの儀式をし、その霊は妊娠7ヶ月の間に自殺した女性であるということも説明してくれました。

 

霊媒師のお祓いもむなしく、叔母は二度と帰ってはきませんでした。

 

いまでも朝の12時から6時頃、このマンゴーの木のそばでは、赤ちゃんを腕に抱えて木の上で歌っている叔母を見ることができ、自殺した女性の木には侵入してはいけない、と教えています。